乳歯歯髄幹細胞を培養する際、作り出される培養上清液です。
幹細胞を培養する際、作り出される培養上清液※1には幹細胞から分泌される数百種類以上の
サイトカイン※2や成長因子※3、ケモカイン※4、エクソソーム※5など多くの生理活性物質が含まれており、幹細胞移植と同様の効果を得られることが大学を始めとする各所の研究からわかってきております。
幹細胞培養上清液はもともとヒトの体にある歯髄、骨髄、脂肪、臍帯などの幹細胞を培養した後に幹細胞を取り除き利用して作られますが、細胞の種類により含まれる成分は異なります。
また、幹細胞培養上清液は一定の規格化した品質のものを使用できる利点があります。
大量生産をおこなったり、さまざまな効率的な投与方法を選択することができるので、低コストで幅広い疾患への利用が期待されています 。
投与方法は、点滴、局所投与、点鼻薬などで、非常に侵襲が少なく、副作用はほとんど確認しておりません。
※1 培養上清液とは、細胞を培養する際生成される上澄み液。
※2 サイトカイン(cytokine)とは、免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、標的細胞は特定されない情報伝達をするもの。
※3 成長因子(Growth factor)とは、体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称。
※4 ケモカイン(Chemokine)とは、Gタンパク質共役受容体を介してその作用を発現する塩基性タンパク質であり、サイトカインの一群。
※5 Exosome(エクソソーム・エキソソーム)は、ほとんどの細胞で分泌される直径50nm~150nm程度の膜小胞。